息ぬきとあそび
中学受験での「息ぬき」のお話をします。あくまで勉強が先にあって、その合間に気分転換・集中力回復のために一時的に休むこと、これが息ぬきと思います。
一方、「あそび」は、他のことに目もくれず、何かを楽しむこと。ゲームをする、マンガをよむ、など。勉強とゲームは同列。(勉強=あそびだと、一番よいですが・・・)
勉強が頭にあるか、ないかの違いでもあります。
ゲームは息ぬきか!?
ゲームが息ぬきになるか、あそびになるか。これは、子ども次第だと思います。
息子にとってゲームはあそびでした。我が家にはSwitchがあります。Switchのことが頭からはなれず、勉強に集中しない、だらだらと勉強時間だけがすぎる、頭をつかわずに問題の解答を写すなど、勉強をこなすになってしまいました。
また隠れて(トイレ、息子の部屋で)Switchをすることもありました。
そのため、中学受験が終わるまでは(五年生12月から6年生2月第一週までの1年以上)、Switchは禁止にしました。最初はぶつくさ文句をいっていましたが、少したつと何もいわなくなりました。
他にダメだったのは
Youtubeもダメでした。息子が「自分の部屋で勉強したい」というのでさせてみたところ、時間を計るためにわたしたiPadでYoutubeを隠れて見ていました。ゲームの攻略動画(マインクラフト、フォートナイト)、など。
息子は「一人じゃ勉強できない」と素直にいっていました(笑)。そのため、我が家ではリビングで勉強することにしていました。
息子の息ぬき
息子の息ぬきは、アニメとルービックキューブでした。
アニメは、寝る前の30分だけ録画したものをみることにしました。息子は勉強をがんばったあとのリラックスタイムにアニメをみていました。
(私も一部のアニメは一緒にみていました。鬼滅の刃、呪術廻戦など)
ルービックキューブは、小学校の友だちの間ではやっていたのか、六年生の半ばからやりはじめました。勉強の合間にカチャカチャやっていました。夢中になるので、休けい時間に気をつける必要がありました。
アニメとルービックキューブで勉強の集中力がとぎれることはありませんでした。
学校・放課後
学校では子ども同士であそんでいました。ときには、「高いところからジャンプして降りた」と息子がいうので、「けがするぞ!?」と心配したこともありました。ただ、学校では思いっきりあそんだほうがいいと思っていました。
一方、放課後は、中学受験が終わるまでは友だちとはあそびませんでした。がまんして勉強と息子も分かっていました。
思いっきりあそんでつかれたのか、学校から帰ってきて昼寝をすることがありました。30分くらいなら大丈夫だと思い、何もいいませんでした。
【六年生 12月】 ジェットコースター
ジェットコースターのような偏差値の急降下、実際にありました。
六年生 12月 合不合判定テスト
最後の組分けテストの偏差値です(11月との比較、ダウンのみハイライト)。
- 算数 48 12ダウン
- 国語 45
- 理科 57 4ダウン
- 社会 51
- 四科 49 4ダウン
そう、最後の最後にジェットコースターの急降下がまっていました。ここまで順調だったのに、「なんで!?」という展開でした。とくに算数が悪い。問題用紙・解答用紙をチェックすると、気を付けていたはずのあれが、またもやありました。
何がおこっていたのか
合不合判定テストの算数は、大問が9つで構成されます。大問1が計算、大問2が一行(基本)、大問6が一行(応用)。それ以外は分野ごとに出題されます。大問6~9は応用問題という位置付けだと思います。
何がおこっていたのか。それは、大問4の2問目でずっと時間をつかってしまい、それ以降の大問に時間をつかえなかった、という失敗でした。大問5から後は少しだけ解答しているものの、少ない時間のなかであせって解くので精度がダメ。全滅。
家で落ち着いて解くと、あれよあれよと解ける。またしても「できる」から「解ける」への橋渡しに失敗していたのでした。
理科の偏差値がそこまで悪くなっていなかったのと、国語の偏差値が6アップしたおかげで、四科では偏差値49でした。最後の合不合判定テストでもBクラスをキープできました。が、いろいろと課題が残っている六年生 12月でした。
課金の誘惑
偏差値が落ちると課金(個別指導のコマ追加)の誘惑にかられます。夏は課金のおかげで上がった。じゃあ、冬も。ということで、個別指導に相談にいきました。
個別指導の先生から提案された追加コマの勉強方法。それは、これまで解いたことがある問題をもう一度解く、というものでした。それは、新しい問題を解くよりも、解いたことがある問題を解く(正解する)ことで、自信をつけるというものでした。
その場では「そうですか」という感じだったのですが、家であれこれ考えると「本当か」となりました。むしろ、それだったら家でやったほうがよいのではないか。
「家で検討して連絡する」と個別指導にお伝えしていたのですが、個別指導からは連絡はありませんでした。もしかすると「この時期にできることは限られる(家でやったほうがよいのでは)」という示唆だったのかもしれません。
志望校・併願校(2)
前回のつづきです。
学校に足をはこぶ、学校の話をきく
学校に足をはこぶことで、さまざまな情報が得られました。
例えば、校舎の雰囲気、広さ・配置。ウェブサイトには説明があると思います。しかし、実際に見るのとではまったく違いました。雰囲気が伝わりますし、広さ・配置も通学後のイメージがわきます。
また、生徒にあえると、どんな学生が通っているのかが分かります。入学後に息子が上手くなじめるのかが気になりましたが、安心につながりました。
学校の話をきくことは志望校・併願校選びにとても重要でした。コロナ禍の影響で、学校説明会が延期・中止されることがありました。その場合、オンラインで説明が聞けたので、ある程度理解することができました。
大きく分けると、「校長(教頭)先生」「担任の先生」「入試」の3つのお話を聞くことができたと思います。
- 校長(教頭)先生のお話
入学した生徒に中高6年の間でどういう人になってほしいかが、学校の教育方針とともに語られます。これは校風に直結し、あう・あわないの判断に役立ちました。
- 担任の先生のお話
教育方針のもと、現場で具体的にどういう教育をしているのかが語られます。行事・イベントや、国際・海外教育なども。この学校に仮に息子が通ったら、どういう教育をうけ、どういう子に育ちそうか、イメージがつきました。
- 入試のお話
学校が考える入試の難易度や、問題を出す側の意図などが聞けました。これは対策を立てる意味でとても参考になりました。また合格点の前後には受験生が何人もいる(数点に泣く子がたくさんいる)という中学受験の厳しさも聞けました。
なお、受験校・併願校について、すべての学校に事前に足を運びました(受験の下見もかねて)。しかし、学校の話を聞いたのはすべての学校ではありませんでした。
また学校に足を運んだり、学校の話をきくなかで、少しあわないなと感じる学校は外れていきました。例えば、地図以上に家から遠いと感じる学校、宗教色がつよい学校、校舎が古くて手入れがあまり行きとどいていないと感じる学校、など。
志望校・併願校を決める
第一志望は、家族の想いを踏まえて合格確率が低くても受験することになるので、早い段階できまることになると思います。また塾も、第一志望は子どものメンタルに直結するので、よほどのことがないかぎり、変えるべきではないと言っていました。
一方、それ以外の志望校・併願校は中学受験が終わるまで変わると思います。
我が家では、まず9月から11月の合不合判定テストの偏差値で選択肢を決めました。その上で、1月2月のシナリオをねり、パターンを考えました。
- シナリオ
1月に必ず1勝する。これは、自信をもつため。またメンタルをたもって(2月全落ちでも通う学校があるというおまもりをもって)2月本番にチャレンジするため。1月に必ず1敗もする。これは、お調子ものの息子の気を引きしめるため。
2月の早い段階で志望校を1つおさえる。心に余裕をもってのぞませるため。
- パターン
チャレンジ校(合格可能性20-45%)、実力適正校(同50-75%)、合格有望校(同80%)の選択肢の中から、1月・2月のどの日程でどの学校をうけ、合格・不合格に応じてどの学校に変更するか、パターン化する。
パターンをチェックする意味で、SAPIXの併願パターンデータはとても役立ちました。(参考の過去記事)
我が家の最終的な結果
募集要項をダウンロードしたのは21校。下見をしたのは20校。ウェブサイトをお気に入りにしたのは17校。過去問を購入したのは9校。受験したのは8校(回)。そのうち、合格したのは3校でした。
私自身の高校・大学受験と状況が違うので戸惑いました。また中学受験はここまでやるのかと思いました。まさに狂気。
志望校・併願校(1)
今回は2回にわたり志望校・併願校の決め方をまとめます。
進め方
志望校・併願校について、我が家では以下のように進めました。
- 候補をリストアップする
- 判断軸を家族で話し合う
- 学校に足をはこぶ、学校の話をきく
- 志望校・併願校を決める
ただ、この順番どおりにスムーズに進んでいったかというと、そうではありません。六年生(2022年)の1月に入ってからも、新たな候補をみつけ、学校に足をはこびました。また併願校は、2月の受験結果をうけて変更しました。
なお、第一志望について、合格体験記の中でよくでてくる、「四(五)年生のときにおとずれた学園祭で、学校の雰囲気がよかったので、その学校を第一志望を決めました」は、我が家では当てはまりませんでした。
六年生5月に私と妻が二人で学校説明会にいき、その後に私と息子が学校説明会にいって話をお聞きする中で、「ここにしよう」ときまりました。
候補をリストアップする
これは、親が行かせてもいいと思う学校を挙げていきました。最初のうちは、有名校(例えば、御三家)でもいいと思います。
はずかしながら、入試まで1年の五年生1月の段階でも、志望校判定テストで麻布を志望校に入れていました。(いま思えば、とんでもない・・・)
「合格(通学)する可能性のある中学校」になるので、偏差値と通学距離でしぼりこんでいきました。偏差値は、これまでのテストの持ち偏プラス上に幅を持たせました。通学距離は、ドアツードアで1時間(最長でも1時間半)で考えました。
判断軸を家族で話し合う
「息子にあう学校」という判断軸について、家族で意思統一をしました。
具体的には、息子はどういう子(個性)か、どういう学校だと伸びそうか、将来どうなってほしいかなどを具体的に話しました。
- 普段の勉強への姿勢を見ていると、自主性を重視する学校よりも面倒見のよい学校のほうが息子にはあいそう
- 学校の行事・イベントをノリノリでやっているので、思い出に残る行事・イベントが多い学校がよさそう
- 女子の目を気にせず、男子校で仲間と思いっきり好きなことに打ち込むと伸びそう
- 好奇心旺盛なので、大学受験でチャレンジさせてみよう など
また妻と私は息子しかみていないので、六年生4月の塾の面談のときに、多くの子どもに接している塾の先生にアドバイス(客観的な意見)をいただきました。
この話し合いの中で、「私立男子校(行事・イベントの多さ)」「校風(面倒見のよさ)」「出口(大学受験実績)」を軸に決めていきました。
つづきは次回の「志望校・併願校の決定(2)」になります。
【六年生 ~11月】 Bクラス再浮上とその後
今回は夏の成果(9月)とその後(10~11月)の成績の推移をまとめます。
六年生 9月 組分けテスト
夏にがんばった成果の組分けテストの偏差値です(7月との比較)。
- 算数 56 10アップ
- 国語 50 9アップ
- 理科 47
- 社会 46
- 四科 51 6アップ
夏期講習に加えて、特訓(個別指導のコマ追加(算数)、家での国語読解一日一題)の成果がでたのだと思います。算数・国語とも偏差値がアップしました。また四科で偏差値が50を超え、Bクラスに再浮上しました。
やってきたことが正しかったと分かり、親子で安心しました。また、心のなかで課金(個別指導)の成果がでたとも思いました。
六年生 9~11月 週テスト
その後の週テストの平均偏差値の推移です。
9月 | 10月 | 11月 | |
---|---|---|---|
算数 | 61 | 57 | 58 |
国語 | 46 | 50 | 42 |
理科 | 58 | 54 | 58 |
社会 | 53 | 52 | 56 |
四科 | 58 | 56 | 56 |
四科の平均偏差値が50半ば~後半を推移しています。Bクラスでも上のほうの成績をとるようになり、週報の成績上位者(Bクラス)に名前が載ることも多くなりました。
六年生 9~11月 合不合判定テスト
その後の合不合判定テストの偏差値の推移です。
9月 | 10月 | 11月 | |
---|---|---|---|
算数 | 54 | 56 | 60 |
国語 | 39 | 45 | 39 |
理科 | 51 | 51 | 61 |
社会 | 55 | 48 | 52 |
四科 | 50 | 50 | 53 |
- 算数 徐々にのびてきて、60の壁をこえました。順調です。
- 国語 30台になることも。あいかわらずブレが激しいです。
- 理科 最初は50前半でしたが、後から60の壁をこえ、いい感じです。
- 社会 50前後をいったりきたり。ぼちぼちかなと。
息子によると、11月の国語の偏差値について、四・五年生のときの国語担当の先生によびだされ、「この成績、どうしたの?」と大きな声でいわれたそうです。(まわりの子どもたちが「どうしたんだ!?」とザワザワしたようです)
11月の国語の解答用紙を確認しました。そこで、国語の文章題2つのうち、1つはちゃんと解答をうめているものの、もう1つは空欄が多いことに気付きました。問題全体を見わたすことと、時間配分ができていなかったのです。(参考の過去記事)
そこで、12月(第4回)の合格力判定サピックスオープンで、国語の「解ける」を特訓しました。(参考の過去記事)
なお、9月で組分けテストは終了し、10~11月は合不合判定テストでクラス決めすることになっていました。9月以降はBクラスをキープしました。
しかし、息子(成績・偏差値)のジェットコースターはつづくのでした・・・
成績がわるかったときのことば
子どもの成績が思うように伸びないことや、失敗することはたくさんあります。このとき、子どもにどのようなことばをかけますか。
どのようなことばをかけても、成績(過去)は変わりません。ただ、ことばをかけられた子ども(現在、未来)は変わることができます。上がるほうにも、下がるほうにも。
今回は我が家で心がけたことばを共有します。なお、最初からできたわけではありません。試行錯誤のなかで、六年生後半に魔法のことばを使うようになりました。
よくあることば
失敗したなと思うことばを紹介します。
- なんでできないの!?
親なら一度は子どもにいってしまうのではないでしょうか。私も息子にたびたびいってしまいました。(反省・・・)
このことば、できない理由を聞くというよりは、できないことを責める面がつよいと思います。親からすると、このぐらいできるでしょ、と思いますよね。仕事でも同僚・後輩に「なんでできないの!?」といいたくなるときはあります。
ただ、子どもと自分は違います(仕事だと同僚・後輩と自分は違う)。
このことば、かけたとしても相手が必ずしも変わるわけではないので、あまり意味がないですね。このような「ネガティブ」なことばをいったとしても、何も生み出さないと思います。息子も「・・・」とテンションが下がっていました。
中学受験の目的は、よい成績を取ることではありません。合格することです。そのため、成績がわるいときにかけることばで、子どもをもっとわるいほうに変えるのは、本末転倒だと思います。
魔法のことば
逆に相手によいインパクトをあたえることばがあります。インパクトをあたえるキーは、ズバリ「ポジティブ」にあります。
- 本番じゃなくてよかったね!
このことばは、親から子どもにかけるものになります。
次があることを示唆するこのことば。今回はできなかったけど、次回はできるようになれる。これ、ポジティブですよね。
我が家では、このことばの後に、今回できなかったこととその理由を話し、次にできるようになるためには何をするかを話し合いました。
このことばとそのフォローがあれば、次に何をしたらできるようになるかが分かり、子どもも「次はできる!」と信じるようになると思います。
- 手のかかる子ほどかわいいもんだ(笑)
このことばは、親の間で使うことばになります。
子どもがいないときに、夫婦で「なんでできないんだ!?(不思議)」と話すことがあると思います。このようなときに使う、このことば。手がかかることをポジティブにとらえるものです。
親は子どもがかわいい。だから、手がかかってもぜんぜん問題ない。このことをあらためて意識するためのものです。「なんで」の前(あるいは間)にポジティブなことばをいれると、心がおちつき、「なんで」が建設的になれるのかなと思います。
私がこのことばを初めてつかったとき、妻に笑われました。その反応は、「確かに(笑)。でも、私はここまで手をかけてもらってないけどね(昔(親)と今(子)の中学受験はちがうという意味で)」というものでした。
たいへんな時代の中学受験の一幕でした。
【六年生 8月】 勝負の夏
勝負の夏は7月下旬の学校の終業式から9月頭の塾の組分けテストまでの約40日。組分けテスト(Bクラス再浮上)に向けて、息子は全力で勉強に取り組みました。
夏は、四谷大塚(夏期講習と過去問特訓)の負担が大きい。また週一回以上に増えた個別指導もある。そのため、家での学習は限定的にならざるを得ませんでした。そこで、家ではてこ入れが必要な国語に絞って取り組みました。
四谷大塚 夏期講習
お盆休みまでの三週間(塾は18日)は夏期講習でした。四科目とも総復習の位置付けで、これまで学んだことをもう一周学ぶというものでした。
算数は初見の問題を解いて先生の解説をきく、この繰り返しの実戦練習でした。先生からは、「予習は不要、しっかり復習してください」と言われていました。
四谷大塚 過去問特訓
お盆休みをはさんで、その後の二週間(塾は10日)は過去問特訓でした。志望校の直近10年分の過去問を解き、解答解説をうけるというものです。息子は理科で一度だけ目標点をクリアしましたが、それ以外はすべて目標点未満でした(四科・各科目)。
(この時期にこの得点はしかたがないです)
個別指導 国語と追加算数
夏前と同じく、週一回(80分✕7回)の国語の読解の問題演習をつづけました。
加えて、7月の合不合判定テストで成績がふるわなかった算数について、コマ(80分✕7回)を追加することにしました。こちらは、購入した市販の教材を使って、息子が算数の問題をとき、先生による解答解説をうけるというものでした。
(課金したら効果がでるんじゃないかと期待しました・・・)
家での特訓
家では、朝はルーティンの勉強(算数:日々の演習、国語:今日のコラム、漢字)をやり、夜は四谷大塚(夏期講習と過去問特訓、とくに算数)の復習を中心に取り組みました。
それに加えて、朝は「コラム要約」をやりました。これは、今日のコラムを読み、100字以内に要約するもの。文章の本質を見抜く力(抽象化する力)と自分の言葉でアウトプットする力をつけるために実施しました。
夜は、購入したものの未使用のままとなっている四谷大塚の国語の問題集を使って、一日一題、必ず問題を解きました。また、解きっぱなしにするのではなく、正解しても根拠が正しかったか、何をまちがえたか、復習することをしました。
この夏は、息子に勉強をまかせました(教えることはしませんでした)。そばで勉強している姿を静かに見守りました。ときどき、コラム要約や国語特訓の解答根拠を質問したりするぐらいでした。
(余談)東大受験指導専門塾 鉄緑会
今回は少し脱線します。
中学受験を終えた息子が鉄緑会の選抜試験を受けたいといってきました。勉強をつづけたいという心意気やよし。そこで、2月某日に息子は試験を受けに行き、私たちは入会説明会に行ってきました。そこでは、すごい世界が待っていました。
後日、息子は選抜試験に不合格だった通知がきました。(残念・・・)
先生の説明
統括部長・教科主任から説明をいただきました。それはもう立て板に水のごとく、無駄のないことば・ロジックを駆使した、スラスラと流れるパーフェクトな説明でした。
- 親の想い
子どもの中学受験に対する親の想いへの問いかけから始まりました。中高一貫校の行事・イベントを通じた人間形成と、高校受験がない中での大学受験に向けたしっかりとした学力形成の2つにありますよね、との問いかけは親の想いを代弁するものでした。
- データで裏付けられた落とし穴
人間形成は中高一貫校のメリットとし、先生(開成・筑駒出身)にもその実感があることを述べました。つぎに話が学力形成に移りました。ここからが本領発揮です。
開成・筑駒生徒であっても現役東大合格率が30%であることをデータで示します。その理由として、中高一貫校であることのデメリット、つまり6年という長い期間がゆえにモチベーションが続かない点を指摘します。
また東大受験の難しさも加えます。理IIIですら65%の得点率が必要、他も55~60%が必要という事実を示します。その上で英語の過去問を見せ、親でもまったく歯が立たないほどの難しさを語ります。
- ソリューション
親の想い(人間・学力形成)に寄り添いながらも、学力形成の落とし穴(リスク)を具体的なデータ・例で示しました。親はここであせります。そこで、出てくるのが鉄緑会のソリューション。それは、「環境」と「メソッド」です。
「環境」は同じレベルの優秀なライバル(戦友といえる)と切磋琢磨しながら学べること。先生(鉄緑会出身)が生徒のためなら居残りもいとわず熱く指導すること。この2点を挙げていました。
「メソッド」は教科ごとに詳細に説明していました。
(1)数学
1年目で中学数学をマスターします。たった1年です。学校よりも少ない時間、短い期間でなぜこれができるのか。そのカラクリは、徹底的にムダをはぶく(中学数学のカリキュラムは余分なものが多い)、問題を反復練習する、この2点でした。
2年目以降は高校数学をあつかい、らせん階段(同じことを何度も、さまざまな角度から少しずつ難しくなるように学ぶ)を上るように習得していくとのこと。らせん階段は四谷大塚でも実践されていたので、実感がわきました。
(2)英語
授業の2/3はスピーキングの学習にあて、英語を体で学ぶとのことでした。これは、翻訳に重きをおいた(親世代の)従来の学習と異なるものです。数年前に、カリキュラムを抜本的に見直したようです。
(3)その他
数学・英語でアドバンテージをとることができると、それ以外の教科は仮にビハインドしてもあとから挽回できるとのこと。また数学・英語について、学校は塾の復習の場であるとも断言されていました。
すごいの一言です。この提案を受けたら鉄緑会に入りたくなりますよね(笑)。もうコンサルといっていいと思います。
パンフレット
入会説明会では説明しきれない、鉄緑会の考えがパンフレットには表れていたので、ここで簡単に紹介します。
- 国語
究極的には解答者の人間的な深みを見るもの。ただし受験国語では特有の方法論を身に付けることで得点力を増すことができる。
- 理科
大きく得点差のつく教科で、浅薄な理解では手も足もでない。しかし数学・英語に比べると学ぶべき内容はわずか。集中学習で効率的に対策を完結できる。
- 社会
知識の多寡を競うものではなく、流れや背景、相互関係等についての深い理解を本格的な論述で試すもの。入試分析と添削指導で万全の対策をする。
「人間的な深み」「学ぶべき内容はわずか」「知識の多寡を競うものではない」、これらの力強いことばを駆使しています。的を射ており、「うんうん」とうなずけるものが多く、さすが鉄緑会と思います。
鉄緑会は実績(これまでの東大合格者数)に裏付けられた自信にあふれていますね(笑)。
その他
英単語熟語を学ぶ教材の名前が「鉄壁」でした。鉄ということば(が示唆するイメージ)に想いがあるのだと推察しました。
また、鉄緑会OB/OGのつながりも深いようです。先生がOB/OGと会食をしたり、OB/OGをまねいて現役生徒に話をしたり。
【六年生 7月】 Aクラス転落のまさか
3つのさか
ある結婚式で次のことばを聞きました。人生には3つのさかがある。それは、「上り坂」、「下り坂」、そして「まさか」、と。
上り坂は、なにをやってもうまくいくとき。下り坂は、おもうようにならないとき。まさかは、予想や想像もつかいないことがおこったとき。
その「まさか」が7月の合不合判定テストででました。
7月の合不合判定テストの偏差値
- 算数 46
- 国語 41
- 理科 50
- 社会 47
- 四科 45
算数でこけるとテストで失敗する、いつものパターンでした。このときは、テスト会場への到着が試験開始まで10分をきっていたという私のミスがありました。
7月の暑い時期に、早歩きをしてギリギリのタイミングでテスト会場に入る、その結果がどうなるか、ご想像の通りだと思います。これも「できる」からといって必ずしも「解ける」わけではないことの一例だと思います。
Aクラス転落
基礎力強化と個別指導のおかげで、ここまで順調に偏差値が上がってきていました。しかし、「まさか」のせいでBクラスに浮上した直後にAクラスに転落することになりました。
いかに挽回してBクラスに再浮上するか、これが夏の勉強の焦点になりました。
塾の7月の保護者会で、「夏以降は現状維持できればよいです」との話がありました。我が家は、夏が勝負、と並々ならぬ決意をしました。
6~7月の週テストの偏差値
Bクラスに浮上してからの週テストの平均偏差値は、以下の通りです。
- 算数 59
- 国語 38
- 理科 56
- 社会 52
- 四科 53
Aクラス(5月)は平均偏差値が64でしたが、Bクラス(6~7月)は53でした。Aクラスと比べると、Bクラスはレベルが高い。とくに弱点の国語はぜんぜんダメ。
そこで、国語のてこ入れも夏の特訓に加えることにしました。
【六年生 ~6月】 念願のBクラス入り
週テスト
- 4月 61
- 5月 64
4月に入り、基礎力を強化した成果もではじめ、算数は偏差値60前半を維持するようになりました。また週報の成績上位者(Aクラス)に名前が載るようになりました。
5月になると、偏差値60~70をとるようになりました。このとき成績上位10番以内(Aクラス)に入ることもあり、順調に実力がついていることを実感。
そして、ついにそのときがおとずれました。
組分けテスト、合不合判定テスト
- 4月 49
- 5月 44
- 6月 51
4月は組分けテストがなく、合不合判定テスト(第1回)だけありました。ためていた実力が偏差値に表れたようです。ただ組分けテストではないため、クラスの入れ替えはなく、Aクラスのままでした。
5月は組分けテストで失敗。算数でこけると、他の科目でも挽回できないようです。このときは偏差値50を超えていたのが社会だけ(それでも50)。国語は偏差値37と暗たんたる結果でした。
週テストで実力がついているのは分かっているのですが、まだ結果に反映されないだけと思うようにしました。
6月の第一週の組分けテストで、ついに偏差値50を突破。算数は偏差値56、国語は偏差値44、理科・社会も偏差値50越えでした。どの科目も、5月の失敗を踏まえ、しっかりと対応できたことが奏功したと思います。
念願のBクラスに入ることができました。入塾からずっとAクラスだった息子も、結果を残し、すこし自信をもったようです。